16日に孫を連れて帰ってくるはずだった娘。さあ出発という段になって、孫の機嫌が悪くなった。3時ころに家を出ようというのがだいたい間違ってる。ここ数日の暑さには大人だって閉口している。赤ちゃんだって、たぶん同じだろう。その暑さの中、車のチャイルドシートに拘束されるのだから、精いっぱいの抵抗をしたに違いない。
諦めた娘が17日の朝、やって来た。16日なら妻が休みの日だったが、17日は仕事で、もう家にはいない。歓待役はわたししかいない。末っ子がアルバイト休みとかで家にいるが、スマホと睨めっこ状態で、数には入らない。仕方がないと、覚悟を決めたが、相手は強敵、赤ちゃん孫娘。先週戻って来た時に泣かれて往生した自信喪失を、まだ取り戻していない。
そこで嵩じた一計は、娘の食事を用意すること。これなら娘も(なぜ?)と訝りはすまい。
まず昼ご飯。暑いからあっさりと行こう。メインはナゲットとミニハンバーグ(照り焼き味)、ほかに冷ややっこに釜揚げシラスをトッピング、キムチに茶碗蒸しとミニサラダ。和洋韓ごちゃまぜメニューときたもんだ。この用意ですこし時間を稼げるぞ。合間に、台所から応接間を除いて、「は~い、じいちゃんだよ」お愛想。これだけ距離があると、孫娘もにニッコリ。これに心を許したら、ひどい目に合う。とはいえ、娘が食事の間は、赤ちゃんの相手は必然的に回ってくる。
北欧の木の玩具は、わが子供らの赤ちゃん時代に買ったものだが、「カタカタカタ……!」「!」孫娘の興味を引き付けたぞ。これで食事時間の間は、じ~ちゃんにお任せだ。あの手この手でクリア!だいぶん赤ちゃんもわたしに慣れたんだと思ったら、いきなり顔をゆがめた!
娘と交代して夕飯の仕込みにかかる。メニューは昨日決めておいた天ぷらだ。ナス、南瓜(カボチャ)、オクラ、イカ、かにかま、チクワ……ちょっと凝って、ナスのミンチはさみ天とエビ入りかきあげと種だくさんだ。天つゆと大根おろしを仕上げて、ほっと一息。母と赤ちゃんの様子をうかがうと、気持ちよさそうに眠っている。作戦成功である。これで妻の帰りが早くなることを祈るだけでいい。
やっとパソコンの相手ができるぞ。赤ちゃん相手より、気を使わなくて済む。フフフフフ。選手のガッツポーズの理由に疑問